井戸で鳴く黄金色のにわとり


    井戸で鳴く黄金色のにわとり16


淵の水が真っ赤になりました。
あたりが真っ暗になったかとおも
うと、
「ごろごろっ」
「ごろごろ」
雷が鳴り出しました。
耳がさけてしまいそうな、すさま
じい雷でした。



「ぴかっ、ぴか」
「ぴかっ」
真っ暗な空に、黄金色のいなずま
が走ります。
何かがいかりくるっているかのよ
うでした。



「ぴしゃっ、ぴしゃ」
「ぴしゃっ」
大きな音をたて、雷がいくつも落
ちました。


             つづく



「井戸で鳴く黄金色のにわとり」は、
信州の伊那谷にあった「大島城」に
伝わっている話をヒントにして、
みほようこが書いた物語。