井戸で鳴く黄金色のにわとり17
ますますはげしい雷雨になりました。
空からは、血なまぐさい雨が降って
きます。
すさまじい雷雨に驚いた三河軍は、
安全な場所へ避難しました。
三十分後。
大雨により、城の火も消えました。
「やれやれ」
「火が消えてよかった。あのまま
火が燃えていたら、わしらは全滅
じゃ」
城の中にいた人々は、ほっと胸を
なでおろしました。
しかし、油断はできません。
いつまた、織田軍がせめてくるか
わかりません。
つづく
「井戸で鳴く黄金色のにわとり」は、
信州の伊那谷にあった「大島城」に
伝わっている話をヒントにして、
みほようこが書いた物語。