井戸で鳴く黄金色のにわとり18
気がつくと、空はからっと晴れて
いました。
太陽も顔をだしています。
「それっ、今だ。気をひきしめ、
再び大島城をせめろ」
信忠は、兵士たちにむかってさけ
びました。
「おぅー」
「おー」
三河軍の兵士たちは大声をあげ、
再び大島城をせめてきました。
火のついた矢が、あちこちからと
んできます。
城に、再び火がつきました。
城は、たちまち火の海になりました。
矢だけでなく、火のついた石もと
んできます。
つづく
「井戸で鳴く黄金色のにわとり」は、
信州の伊那谷にあった「大島城」に
伝わっている話をヒントにして、
みほようこが書いた物語。