井戸で鳴く黄金色のにわとり


 井戸で鳴く黄金色のにわとり23


「こっこ。守ってあげられなくて、
ごめんね。大好きなこっこと一緒
だから、私は何もこわくないわ」
そういうと、姫はにわとりをだい
て、井戸にとびこみました。



「ぽちゃーん」
井戸の中から、大きな音がしました。
「姫が、井戸にとびこんだぞー」
兵士が、さけびました。



うすれゆく意識の中で、姫は思い
ました。
「戦のない平和な世の中は、いつ
くるのだろうか。
一日も早く平和な世の中になって
ほしい」と。


             つづく



「井戸で鳴く黄金色のにわとり」
は、信州の伊那谷にあった「大島
城」に伝わっている話をヒントに
して、みほようこが書いた物語。