赤い夕顔の花が咲いた


 赤い夕顔の花が咲いた22


殿様が、家臣たちのことを心配し
ている。こんな殿様をみたのは、
初めてだ。
城が焼けてしまったので、殿様は
気が弱くなっているのだろうか」
犬坊は、盛永のことが心配でした。




「全員無事だといいですね。
さあ、殿様。追手がくるといけな
いので、少しでも安全な場所へ逃
げましょう」
犬坊が、盛永をせかしました。




二人は、下条の追手を逃れ、山の
奥へ奥へと逃げて行きました。
「殿様。あそこに小屋があります。
少し休みましょう」
「そうじゃな。少し休むとするか」
二人は、小屋で休みました。


            つづく



「赤い夕顔の花」は、信州の最南
端にあった「権現城」に伝わって
いる話をヒントにして、みほようこ
が書いたもの。