赤い夕顔の花が咲いた40
「では、遠慮なく休ませていただ
きます」
お万と長五郎は、そうべえの家で、
二時間ほど休ませてもらいました。
そうべえは、一人で暮らしていま
した。
あわめしと温かなみそ汁をごちそ
うになり、お万と長五郎は少し元
気になりました。
「そうべえさん。それでは、浪合
まで道案内をお願いします」
お万が、そうべえにお願いしました。
「奥がたさま。もう少し休まれた
らどうじゃ。若君も疲れているよ
うだし」
「そうもいきません。下条の追手
がくるかもしれませんから。
いっこくも早く、浪合の実家へ帰
りたいと思います」
つづく
初めてこの物語を読んでくださった
かたへ
赤い夕顔の花が咲いた1
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20080805#p1
「次の日」「次の日」と押せば、
「赤い夕顔の花が咲いた」を続け
て読むことができます。
「赤い夕顔の花が咲いた」は、
信州の最南端にあった「権現城」
に伝わっている話をヒントにして、
みほようこが書いたもの。