瑠璃寺の青獅子2
「ええ、きれいですよ。
この枝垂れ桜は、瑠璃寺が幕府の
祈願寺になった時、源頼朝公が寄
進してくださった桜じゃ。
満開になると、天から桜の花が降
ってくるようで、それはみごとで
すぞ」
「満開の桜を、ぜひみたいもので
すな。和尚さま。源頼朝公といえ
ば、鎌倉時代の人。
この寺は、ずいぶん古いのですね」
「瑠璃寺は、天永三年(1112年)、
比叡山竹林院の観誉僧都(かんよ
そうず)によって創建された寺じゃ」
「比叡山の僧が、なぜこの地に寺
をつくったのでしょう」
男がたずねました。
すると、和尚が話を始めました。
「伊那谷を訪れていた観誉僧都が、
仁王山の間の洞(あいのほら)を
歩いていると、木々の間から、夢
にみた薬師如来があらわれたそう
じゃ」
つづく
昨日の分は、こちら。
瑠璃寺の青獅子1
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20080926#p1
「瑠璃寺の青獅子」は、信州高森
町の瑠璃寺に伝わっている話をヒ
ントにして、みほようこが書いた
物語。
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