瑠璃寺の青獅子3
「薬師如来が?」
「そう、まばゆいばかりの薬師如
来が、木々の間からすぅーとあら
われたそうじゃ。
その神々しい姿をみた観誉僧都は、
いたく感激されてのぅ。
それで、この市田に瑠璃寺を建て
たといわれている」
和尚は、寺のいわれを男に話しま
した。
男は、和尚の話を興味深げに聞い
ています。
「それはそうと、そなたはいった
い何者じゃ」
「わしかね。わしは、名もない京
の仏師じゃ。
旅をしながら、あちこちの寺で、
仏像を彫らしてもらっている。
和尚さま。わしに、仏像を彫らし
てもらえないだろうか」
男が頼みました。
つづく
昨日の分は、こちら。
瑠璃寺の青獅子2
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20080927#p1
初めてこの物語を読んでくださったかたへ
瑠璃寺の青獅子1
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20080926#p1
「瑠璃寺の青獅子」は、信州高森
町の瑠璃寺に伝わっている話をヒ
ントにして、みほようこが書いた
物語。
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