瑠璃寺の青獅子


  瑠璃寺の青獅子7


男は、獅子頭を彫るために、不動
滝のそばに小さな小屋を建てました。
雨と風がふせげるだけのあばらや
でした。



不動滝は、瑠璃寺から一里ほどは
なれた山の中にあります。
滝のそばには、岩に刻まれた不動
明王の座像がありました。
滝の高さは、三十メートル。
滝の幅は、約十メートル。



滝の上部には、千畳敷とよばれる
花崗岩の巨大な一枚岩がありました。
晴れた日には、滝一面に太陽があ
たり、滝から落ちる水しぶきに、
美しい虹がかかります。



男は滝の虹をみた時、「なんて美
しい虹だろう」と思いました。
虹をみていると、汚れてしまった
心が、きれいに洗われるような気
がしました。


            つづく



    昨日の分は、こちら。


    瑠璃寺の青獅子6


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20081001#p1




初めてこの物語を読んでくださったかたへ


   瑠璃寺の青獅子1


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20080926#p1



「瑠璃寺の青獅子」は、信州高森
町の瑠璃寺に伝わっている話をヒ
ントにして、みほようこが書いた
物語。



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再配布を禁止します。