風の神様からのおくりもの5
女の子のことを心もとなく思った
神様は、そでの中からまゆ玉をと
りだしました。
「まゆ玉よ、どうかわしのかわり
に、この子をしっかり守ってやっ
ておくれ。たのむぞ」
神様がまゆ玉をなでると、まゆ玉
はきらっきらっと黄金色に輝きだ
しました。
神様は祈るような気持で、まゆ玉
をそっと縁側におきました。
「女の子も助かったし、さてわし
も社に帰って休むとしよう」
神様はまた風になって、守屋山に
帰りました。
「小桜姫、小桜姫。聞こえるかな。
風の神じゃ。
伊那谷の女の子はあぶない所で助
かってよかったのー。
しかしこれから大変じゃのー。
わしも毎日あの子が元気に育つよ
う祈っているぞ」
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20081024#p1
「風の神様からのおくりもの」は、
みほようこの初めての童話集・
「風の神様からのおくりもの」に
収録されています。
心を病む兄のために、明神様にお参
りする心優しい少女の話など4編。
信州諏訪の「風の神様」から聞いた
お話。
挿絵は長野博一先生。
心温まる創作童話。
童話集「風の神様からのおくりもの」
http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu1.html
http://www.bk1.co.jp/product/2056682
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