風の神様からのおくりもの19
立っただけでなく、ゆっくりと一
歩歩いたのです。
「まゆが歩いた、まゆが歩いたのよ」
おかあさんは大声でさけびました。
まゆはにこにこしながら、ゆっくり
ゆっくり五歩ほど歩きました。
その時です。
お守りにしていたまゆ玉の中から、
黄金色のがが何万匹と飛び出しま
した。
黄金色のがは、守屋山に向かって
飛んでいきます。
そして空には大きな黄金色の虹が
かかりました。
「まゆ、おめでとう。やっと歩け
るようになったね。
本当によかったのー。
わしも毎日まゆのことを心配して
いたぞ。
まゆ、優しいおかあさんのもとに
生まれてよかったのー。
大きくなったら、おかあさんのよ
うに心の優しい人になるのじゃよ」
おごそかだが温かな声が、守屋山
の方から聞こえてきました。
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20081107#p1
「風の神様からのおくりもの」は、
みほようこの初めての童話集・
「風の神様からのおくりもの」に
収録されています。
心を病む兄のために、明神様にお参
りする心優しい少女の話など4編。
信州諏訪の「風の神様」から聞いた
お話。
挿絵は長野博一先生。
心温まる創作童話。
童話集「風の神様からのおくりもの」
http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu1.html
- 作者: みほようこ,長野ひろかず
- 出版社/メーカー: 鳥影社
- 発売日: 2001/08
- メディア: 単行本
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