母の短歌63


朝の日は厨の窓に明るくて

   季の移りを思ひ茶をのむ



再びの海外勤務で汝出発の今日は

   鳥の声にも心乱しぬ



心配をかけぬが何よりの孝行と

   母に言はれしを吾も娘に言ふ



梅雨の雨に幾日こもれる間に梔子の

   若葉食ひ荒す虫は太れり