母の短歌83


わさび畑の澄みし流れに緑を写し

   夏の日ざしにきらめきやまず



還暦を過ぎて再び「恍惚の人」読めば

   老いの悲しみ心に沁みぬ



ありし日に夫の植ゑたる薊の綿毛

   澄み渡る空に光りては消ゆ



ダイエットの話に弾む友等の中に

   太りたるわれは言葉なくをり