母の短歌84


霜下りるまで咲きつがむインパチェンス

   切りもどしして追肥を与ふ



夫の分まで長生きせよと言ひくるる

   娘等あれば命愛しまむ



西日さす網戸につきし草の綿

   光りて風に靡くひととき



武田軍の狼煙をあげし跡地とぞ

   わが住む丘を遠く見放くる