女神さまからのおくりもの


 女神さまからのおくりもの13


ところが、
ふくは、八才の時、守屋山へ福寿草
の花をとりに行き、凍死してしまい
ました。
ふくの死は、清太にとって忘れるこ
とのできない悲しい思い出でした。



ふくちゃんとそっくりな少女が、お
らの目の前に立っている。
清太は、きよをみた時、夢をみてい
るのではないかと思いました。



きよと清太は、すぐ仲良しになりま
した。
きよは、白駒の様子をみに、毎日馬
小屋へやってきます。
そして、馬の世話をしている清太の
そばで、楽しそうにおしゃべりをし
ていきました。



清太が長者の家へきて、十日がすぎ
ました。
月のきれいな夜でした。
「白駒」
「白駒」
誰か、白駒をよんでいます。
やさしい声でした。


             つづく