母の短歌109


この朝の開店セールの店内に

   「ベルリンの壁」入荷の放送が響く



六時間車に揺られ共に来し

    文鳥を少女は優しく労わる



小林夫妻歌碑のみ歌に在りし日の

    労り合へる面影浮かぶ



アスパラの藪を渡れる風いでて

    輝きをりし露も消えたり