女神さまからのおくりもの82
「おじょうさまのことなど、なん
とも思っていません」と、長者に
いえば良かった。
そうすれば、きよちゃんのそばで、
一生くらすことができたのに。
おれって、なんて馬鹿なんだろう。
湖のまわりを歩いているうちに、
清太の心は再びゆれはじめました。
いっそ、この湖で死んでしまおうか。
いやいや、そんなことをしてはい
けない。
おらが死ねば、きよちゃんが悲しが
る。きよちゃんを悲しますことだけ
はしてはいけない。
おらが死ねば、とうちゃんもかあち
ゃんも、悲しむだろう。
親より先に死ぬことはできない。
でも・・・おらは、きよちゃんのこ
とを忘れることができない。
いろいろな思いが、頭の中をよぎり
ました。
つづく
昨日の分は、こちら
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20090420#p1
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女神さまからのおくりもの1