竜神になった三郎2
春になると、三人はつれだって、
山へわらびやたらの芽などをとり
に行きます。
「三郎や、これがわらびだ。
ほら、ここにもあそこにもあるぞ」
枯れ草の中に、わらびがかわいい
芽をだしています。
三郎は、夢中でわらびをとりました。
「三郎、たらの芽だ。とげがあるか
ら、気をつけろ」
兄たちは、春の山の幸を、三郎に教
えてくれます。
秋になると、三人は、山へ栗やきの
こなどをとりに行きます。
「でけえ栗が落ちているぞー。
三郎、こっちへきて拾えや」
次郎が、大声で三郎をよんでいます。
「おっ、あけびだ。じゅくしていて
うめえぞ」
太郎は、するすると木にのぼり、三
郎にあけびをとってくれます。
そして食べ方を教えてくれました。
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20090526#p1
「竜神になった三郎」は、信州諏訪
の「風の神様」から聞いたお話。
「竜神になった三郎」は、みほようこ
の二冊目の童話集「竜神になった三郎」
に収録されています。