竜神になった三郎3
「三郎ー、でけえまつたけをみつ
けたぞー。早くこっちへこーい」
太郎と次郎は、山の幸をとること
が、とても上手でした。
三郎も兄たちに教えてもらい、山
の幸をとることが楽しみになりま
した。
十数年が過ぎました。
大人になった兄たちは、それぞれ
に妻をめとり、平凡に暮らしてい
ます。
三郎も、ニ十四才になりました。
りりしい青年になった三郎は、村
の娘たちから「三郎さ、三郎さ」
と、したわれています。
「わし、三郎さの嫁さんになりた
いな」
「私もよ。だって、三郎さって、
やさしいんだもん」
「だめよ。おらがなるんだから」
村の娘たちは、三郎が大好きでした。
三郎は、年寄りからも「三郎さ、三
郎さ」と、たよりにされていました。
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20090527#p1
初めて読んでくださったかた
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20090526#p1
「竜神になった三郎」は、信州諏訪
の「風の神様」から聞いたお話。
「竜神になった三郎」は、みほようこ
の二冊目の童話集「竜神になった三郎」
に収録されています。