竜神になった三郎22
そして、鹿のなまぎもでつくった
もちを千枚、三郎にくれました。
「地上へ出るまで、千日かかる。
このもちを、一日一枚ずつ食べな
さい。
そうすれば、無事に地上にでるこ
とができるだろう」
「神様、ありがとうございます。
では、行ってまいります」
三郎は神様にお礼をいいました。
三郎は、地の国の人々にもお礼を
いうと、自分の村めざして歩き続
けました。
しかし、なかなか地上へでること
ができません。
三郎は、妻に会いたい一心で、休
むことなく毎日歩き続けました。
「この道をまっすぐ行けば、本当
に地上へでることができるのだろ
うか」
「早くおっかあに会いたいな。
おっかあは元気でいるだろうか」
三郎は、妻のことばかり考えなが
ら、歩きつづけました。
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20090615#p1
初めて読んでくださったかた
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20090526#p1
「竜神になった三郎」は、信州諏訪
の「風の神様」から聞いたお話。
「竜神になった三郎」は、みほようこ
の二冊目の童話集「竜神になった三郎」
に収録されています。