竜神になった三郎


  竜神になった三郎23


地の国をでてから、千日が過ぎま
した。
「おっ、かすかに光がみえるぞ。
とうとう村へついたぞー」
三郎はうれしさのあまり、大声で
さけびました。



穴からでると、目の前には、なつ
かしいたてしな山がみえました。
「やっと村へ帰ってくることがで
きた・・・」
三郎はほっとしました。



のどがかわいた三郎は、水を飲も
うと、近くの沼へ行きました。
「おや、なんだろう?」
沼に写った自分の姿をみた三郎は、
腰がぬけるほどびっくりしました。
三郎の体は、うろこのついた大き
な蛇になっていたのです。



「せっかく村に戻ってくることが
できたのに・・・。なぜだ。
こんな姿でおっかあに会ったら、
おっかあはびっくりして、腰をぬ
かしてしまうだろう。
でも・・・おっかあにひとめ会い
たい」
 

             つづく



    昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20090616#p1



    初めて読んでくださったかた


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20090526#p1




竜神になった三郎」は、信州諏訪
の「風の神様」から聞いたお話。



竜神になった三郎」は、みほようこ
の二冊目の童話集「竜神になった三郎」
に収録されています。