竜神になった三郎


  竜神になった三郎25


三郎は、兄たちの家へも行ってみ
ました。
しかし、蛇の姿ではどうすること
もできません。



「兄たちがあんなひどいことをす
るなんて。
おれは兄たちのことを、一度も疑
ったことはなかったのに・・・」



諏訪湖へつきおとされた時のこと
が、昨日のことのように思い出さ
れました。
「あれから何年だったのだろうか」
三郎は、そっとつぶやきました。



「アッハハ、アハハ」
兄たちの家から、笑い声が聞こえ
てきました。
「兄たちは幸せに暮らしているの
だな」
三郎は、笑い声を聞いて、安心し
ました。


            つづく



    昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20090618#p1



    初めて読んでくださったかた


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20090526#p1




竜神になった三郎」は、信州諏訪
の「風の神様」から聞いたお話。



竜神になった三郎」は、みほようこ
の二冊目の童話集「竜神になった三郎」
に収録されています。