竜神になった三郎26
「もしかして、おっかあは諏訪湖
へ行ったのかもしれない」
そう思った三郎は、諏訪湖をめざ
してはっていきました。
「おっかあー、おっかあー。
どこにいるー。
いたら返事をしてくりょー」
三郎はときどきたちどまり、大声
でさけびます。
きりがみねの丘に着いた時、諏訪
湖のあたりが、ぼおっと明るく光
っているのがみえました。
「おっかあー、三郎だー」
「おっかあ、いたら返事をしてく
りょー」
三郎はひっしでさけびました。
でも、何の返事もありません。
三郎は何度も何度もさけびました。
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20090619#p1
初めて読んでくださったかた
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20090526#p1
「竜神になった三郎」は、信州諏訪
の「風の神様」から聞いたお話。
「竜神になった三郎」は、みほようこ
の二冊目の童話集「竜神になった三郎」
に収録されています。