有明山に住む鬼・八面大王


 有明山に住む鬼・八面大王12


「それで、山鳥を逃がしてやった」
「そうか。山鳥もうれしかっただ
ろう。よかった、よかった」
さくは、ほっとした顔でいいました。



「おっかあ。それがよくないのじゃ。
おれ、山鳥を逃がしたかわりに、買
物の金を全部そこへおいてきた。
だから、買物ができなくなってしま
った」



「弥助。山鳥を助けてあげたのだか
ら、それでよいではないか。
家にあるもので、年をとればよいの
だから。心配するな、弥助」
さくは、そういって、弥助をなぐさ
めました。


             つづく



   昨日の分は、こちら


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