有明山に住む鬼・八面大王14
「弥助。早く年とりをして、今夜
は早めに休もう」
さくと弥助は、家にあるもので、年
とりをしました。
「おっかあ。年とりのさかなが何
にもなくて、ごめん」
弥助は、改めて母にあやまりました。
「弥助。あるもので年とりができ
たのだから、それでよいではないか」
母は、年とりのさかなのことなど何
も気にしていないようでした。
二人は、早めに床に入り休みました。
「とんとん」
「とんとん」
誰か玄関の戸をたたいています。
「こんなに遅く、誰だろう。
しかも大雪の夜に」
さくと弥助は、思わず顔をみあわせ
ました。
つづく
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