竜の姿をみた少女15
「友だちは、なぜ気持がかわった
のかな」
「みんなにいじめられたみたい。
竜なんて、この世にいるはずない
って。そんなことを信じているな
んて、馬鹿じゃないかっていわれ
たらしいわ」
「そうか。友だちにいじめられた
のか。
竜など、だれもみたことがないか
ら、竜がいるなんて信じることが
できないのだろうね」
おじいさんは、なぜかさみしそう
な顔でいいました。
「わしも、若いころ、信じていた
兄たちに、うらぎられたことがある。
兄たちは、幼い時から、わしをう
んとかわいがってくれた。
そんな兄たちが、わしをうらぎる
なんて。
心から信じていた人に、うらぎら
れるのはつらいものじゃのぅ」
おじいさんは、うらぎられた時の
ことを思いだしたのか、つらそう
な顔をしました。
つづく
昨日の分は、こちら
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20091010#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20090927#p1
「竜の姿をみた少女」は、童話
「竜神になった三郎」の続編。
童話「竜神になった三郎」は、
みほようこの二冊目の童話集「竜
神になった三郎」に収録されてい
ます。
童話「竜神になった三郎」
http://www.geocities.jp/dowakan/saburou1.html
童話集「竜神になった三郎」の紹介
http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu2.html
http://www.bk1.co.jp/product/2434727