竜の姿をみた少女18
「それはそうと、かなは、今でも
湖に竜がいると信じているのかな」
「はい、信じています。
私は、しらかば湖に、竜がいるの
ではないかと思っています」
「なぜ、竜がいると思うのかね」
「私、湖のほとりで、だれかが話
しているのを聞いてしまったの。
もうすぐ三郎さまがしらかば湖に
みえるよって、話していたわ。
三郎さまって、竜になった三郎の
ことではないかと思うの。だから」
「かなは、いつその話を聞いたの
かな」
「いぬのふぐりの花が、咲きはじ
めたころかしら」
「そうか。かなは、しらかばたち
が話をしているのを、聞いてしま
ったのか。
わしも、しらかばたちとよく話を
する。
しらかばがね、この村には湖が大
好きな少女がいるんだよって、か
なのことを話してくれたよ」
つづく
昨日の分は、こちら
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20091013#p1
初めて読んでくださったかたへ
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「竜の姿をみた少女」は、童話
「竜神になった三郎」の続編。
童話「竜神になった三郎」は、
みほようこの二冊目の童話集「竜
神になった三郎」に収録されてい
ます。
童話「竜神になった三郎」
http://www.geocities.jp/dowakan/saburou1.html
童話集「竜神になった三郎」の紹介
http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu2.html
http://www.bk1.co.jp/product/2434727