竜の姿をみた少女26
「そう、神様の許しをえて、わし
らが吹いているのじゃ。
風といっても、いろいろな風があ
るね。
どんな風があるかな」
「五月、青葉が美しいころに吹く風。
私、この風が大好き」
「その風を、なんというか知って
いるか。薫風というのじゃ」
「薫風?」
「薫る風と書いて、薫風じゃ」
「夏に吹く涼しい風。
体がこごえてしまいそうな冬の北
風、台風の時のあらあらしい風、
竜巻のうずを巻くような強い風」
「そうだね。ほかにもいろいろな
風があるね。
どの風も、わしらが吹いているの
じゃ。
風だけではないぞ。雨や雪なども、
わしらが降らすのじゃ」
「雨や雪も?」
つづく
昨日の分は、こちら
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20091021#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20090927#p1
「竜の姿をみた少女」は、童話
「竜神になった三郎」の続編。
童話「竜神になった三郎」は、
みほようこの二冊目の童話集「竜
神になった三郎」に収録されてい
ます。
童話「竜神になった三郎」
http://www.geocities.jp/dowakan/saburou1.html
童話集「竜神になった三郎」の紹介
http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu2.html
http://www.bk1.co.jp/product/2434727