竜の姿をみた少女29
「おじいさん。おじいさんの胸か
らもれている光は、なんですか」
「かなは、この光がみえるのじゃな」
「はい、みえます。
黄金色の美しい光がみえます」
「そうか。みえるのか」
おじいさんは、ふところから黄
金色の玉をとりだしました。
「私、さっきから、その光が気に
なってしかたがありませんでした」
「それで、わしの胸ばかりみてい
たのか。この玉は、真澄の玉じゃ」
「ますみの玉?」
「そう、真に澄むと書いて、ますみ
の玉じゃ。
この玉はのぅ、わしが諏訪地方を
守る竜神になった時、妻のおとう
さんからゆずられたものじゃ。
過去や未来がみえる、ふしぎな玉
なのだよ。
なくなった人が、あちらの国でど
んな生活をしているか、みえるの
じゃ」
つづく
昨日の分は、こちら
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20091024#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20090927#p1
「竜の姿をみた少女」は、童話
「竜神になった三郎」の続編。
童話「竜神になった三郎」は、
みほようこの二冊目の童話集「竜
神になった三郎」に収録されてい
ます。
童話「竜神になった三郎」
http://www.geocities.jp/dowakan/saburou1.html
童話集「竜神になった三郎」の紹介
http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu2.html
http://www.bk1.co.jp/product/2434727