竜の姿をみた少女33
わしは、神様に許しをもらい、こ
の村へもどってきた。
ところが、妻はどこにもいなかっ
たのじゃ。
わしは、「おっかあ、おっかあー、
どこにいるー。いたら返事をして
くりょー」とさけびながら、妻を
さがして歩いた」
「奥さまは、どうしていなくなっ
たのですか」
「妻は、何カ月も、わしをさがした
らしい。でも、わしをみつけること
ができなかった。
疲れはてた妻は、諏訪湖へ身をなげ
ようとしたのじゃ。
その時、妻のおとうさんがあらわれ、
諏訪湖の奥へ妻をつれていったらしい。
後で知ったのだが、妻はある神さま
の娘だった。
妻は、わしが帰ってくるのを、諏訪
湖の奥で待っていてくれた。
いつ帰ってくるかわからぬわしを、
じっと待っているのはさぞつらかっ
ただろう。
妻には、気の毒なことをしてしまった」
つづく
昨日の分は、こちら
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20091028#p1
初めて読んでくださったかたへ
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「竜の姿をみた少女」は、童話
「竜神になった三郎」の続編。
童話「竜神になった三郎」は、
みほようこの二冊目の童話集「竜
神になった三郎」に収録されてい
ます。
童話「竜神になった三郎」
http://www.geocities.jp/dowakan/saburou1.html
童話集「竜神になった三郎」の紹介
http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu2.html
http://www.bk1.co.jp/product/2434727