竜の姿をみた少女34
「おじいさんは、奥さまに会えたの」
「会えたよ。十数年ぶりに、諏訪湖
で妻と会うことができた」
「会えてよかったね。
おじいさん、うれしかったでしょ」
「そりゃあ、うれしかった。
ずっと妻に会いたいと思っていたか
らのぅ」
おじいさんは、奥さんに会えた時の
様子を話してくれました。
「奥さまも、しらかば湖へみえるの
ですか」
「いや、妻はこの湖へは一度もきた
ことがない。
悲しい思い出のある村へは行きたく
ないといって、妻は一歩もよりつか
ないのじゃ。無理もないがのぅ。
つらい思いをしたのだから」
「そうそう、忘れるところだった。
妻に、かなのことを話したら、妻が
会いたいというのじゃ」
つづく
昨日の分は、こちら
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20091029#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20090927#p1
「竜の姿をみた少女」は、童話
「竜神になった三郎」の続編。
童話「竜神になった三郎」は、
みほようこの二冊目の童話集「竜
神になった三郎」に収録されてい
ます。
童話「竜神になった三郎」
http://www.geocities.jp/dowakan/saburou1.html
童話集「竜神になった三郎」の紹介
http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu2.html
http://www.bk1.co.jp/product/2434727