笛の音よ、永久にひびけ


  笛の音よ、永久にひびけ6


「大きなかえでだねぇ」
「こんなかえでは、みたことがない」
「しかし、かえでだけ残しておくわ
けにもいくまい」
「どうしたら良いだろう」
「切るよりしかたがないね」            
こんな声が聞こえてきました。



かえでも、仲間の木といっしょに、
切られてしまうことになったのです。



この丘での楽しかった思い出が、ま
るで昨日のことのように、かえでに
はなつかしく思い出されました。
「とうとう、わしも切られてしまう
のか」
かえでは、さみしく思いました。


          つづく



   昨日の分は、こちら


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20091208#p1



   初めて読んでくださったかたへ


   笛の音よ、永久にひびけ1


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20091203#p1




「笛の音よ、永久にひびけ」は、
スキー大会の会場をつくるために
きりたおされた、信州の志賀高原
の樹令200年の楓のお話。



童話「笛の音よ、永久にひびけ」
は、みほようこの四冊目の童話集・
「ライオンめざめる」に収録され
ています。