笛の音よ、永久にひびけ9
二ヶ月が過ぎました。
かえでは、最後のはっぱを、たく
さんつけることができました。
「最後のはっぱを、つけることが
できたぞー」
かえでは、大声でさけびました。
そして、大きな体を、ゆっさゆっ
さとゆらしました。
「さわ、さわー」
「さわ、さわーー」
たくさんのかえでの葉のゆれる音
が、丘にひびきわたりました。
「ばさっ」
「ばさりっ」
じゃまになるといわれた森の木が、
大きな音をたて、次々に切りたおさ
れていきました。
つづく
昨日の分は、こちら
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20091211#p1
初めて読んでくださったかたへ
笛の音よ、永久にひびけ1
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20091203#p1
「笛の音よ、永久にひびけ」は、
スキー大会の会場をつくるために
きりたおされた、信州の志賀高原
の樹令200年の楓のお話。
童話「笛の音よ、永久にひびけ」
は、みほようこの四冊目の童話集・
「ライオンめざめる」に収録され
ています。