笛の音よ、永久にひびけ10
「チェーーン」
「チェーーン」
チェーンソーの音でしょうか。
高い音が聞こえたかと思うと、あっ
という間に、森の木が次々に切り
たおされていきます。
かえでが驚いてみていると、森の
木がみんな横たおしになってしま
いました。
「いよいよ、わしの番か。
さぞ、痛いだろうな」
そう思った時、耳元で「チェーーン」
という高い音がしました。
「ばさりっ」
かえでの木のたおれる音が、丘の
上にひびきわたりました。
かえでは余りの痛さに顔をしかめ、
そのまま失神してしまいました。
つづく
昨日の分は、こちら
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20091213#p1
初めて読んでくださったかたへ
笛の音よ、永久にひびけ1
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20091203#p1
「笛の音よ、永久にひびけ」は、
スキー大会の会場をつくるために
きりたおされた、信州の志賀高原
の樹令200年の楓のお話。
童話「笛の音よ、永久にひびけ」
は、みほようこの四冊目の童話集・
「ライオンめざめる」に収録され
ています。