開善寺の早梅の精


   開善寺の早梅の精4


開善寺へ着くと、うわさ通り、梅
の花が咲いていました。
雪のように白い、美しい花でした。
あたり一面、梅の花のいい香りが
しています。



文次はうっとりしながら、梅の花
をながめていました。
そして、心にうかんだ歌をよみま
した。



  南枝向暖北枝寒 

  一種春風有両般


(南枝は暖に向かい北枝は寒し 
 一種の春風両般あり) 

    

ふと気がつくと、文次の目の前に、
美しい女の人が立っていました。


           つづく



   昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20091227#p1



   初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20091225#p1




「開善寺の早梅の精」は、信州の
伊那谷にある「開善寺」に伝わっ
ている話をヒントにして書いたもの。