守屋山に黄金色の花が咲いた


 守屋山に黄金色の花が咲いた4


「少女よ、これくらいの苦しみや
悲しみに負けるなよ。
おまえのことは、このわしがしっ
かり守ってやるぞ」
明神さまは少女の顔をみるたびに、
心の中でそうつぶやくのでした。



それから三年三カ月がすぎました。
山深い村にも、ようやくあたたか
な春がやってきました。
少女は兄を喜ばそうと、守屋山へ
黄金色の花を探しに行こうと思い
ました。



幻の花といわれている黄金色の花
さえ見つかれば、兄がやさしい人
になれるような気がしたのです。
少女は、守屋山にむかって、足早
に歩いて行きました。

             つづく



   昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100223#p1



   初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100221#p



童話「守屋山に黄金色の花が咲い
た」は、みほようこの初めての童
話集「風の神様からのおくりもの」
に収録されています。





風の神様からのおくりもの―諏訪の童話

風の神様からのおくりもの―諏訪の童話



下記の書店には、本の在庫がある
ようです。


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http://www.bookservice.jp/bs/PSRPRO1101.do/1/01/I4886295894