黄金色のまゆ玉


   黄金色のまゆ玉14


「米やあわ・豆・野菜などがたく
さんとれますように」
「桑がすくすく育ち、よいまゆが
たくさんとれますように」と、祈
りました。



それから三十年がすぎました。
「ねえ、あなた。ぼつぼつ二つ目
のまゆ玉が授かるころね。
今度黄金色のまゆ玉を授かったら、
そのまゆ玉を私にかしてくださら
ない?」
ある日、奥さんがいいました。



「ああ、いいよ。今度まゆ玉を授か
ったら、おまえにそのまゆ玉をかし
てあげよう」
明神さまは、奥さんと約束しました。
「あなた、約束を破ってはだめよ」


         つづく



     昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100321#p1



     初めて読んだくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100309#p1



諏訪湖には、「おみわたり」の伝
説があります。
「黄金色のまゆ玉」は、その伝説
をヒントにして、みほようこが書
いた物語。