黄金色のまゆ玉16
「明神よ、わしのこどもを助けて
ほしい。
おまえが持っている黄金色のまゆ
玉を手にすると、どんな病気でも
なおるというではないか。
そろそろ次のまゆ玉が授かるころ
だね。次のまゆ玉が授かったら、
そのまゆ玉を、しばらくわしのこ
どもにかしてほしい。
なあ、頼む。明神」
「そういわれてもな。
実は、次のまゆ玉が授かったら、妻
にかしてあげると約束してしまっ
たのじゃ」
「そのまゆ玉を、ゆずってくれと
いっているわけではない。
こどもの病気がなおるまで、かし
てほしいとお願いしているのだ。
な、頼む。このとおりだ」
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100323#p1
初めて読んだくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100309#p1
諏訪湖には、「おみわたり」の伝
説があります。
「黄金色のまゆ玉」は、その伝説
をヒントにして、みほようこが書
いた物語。