黄金色のまゆ玉20
「私、このやしきを出ていくわ」
「これくらいのことで、出ていか
なくても良いではないか」
「まゆ玉のことはともかくとして、
私は寒いのが大嫌い。
今までずっとがまんしていたけれ
ど、ここは日が沈むのも早いし、と
ても寒い。
こんな寒い所には、これ以上住め
ないわ。
私は、湖の向こう側の日がよくあ
たる場所へいって暮らしたいの」
そういうと、奥さんはさっさとし
たくをして、湖の向こう側へ行っ
てしまいました。
そして、明神さまが何度迎えに行
っても、奥さんは帰ってきません
でした。
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100327#p1
初めて読んだくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100309#p1
諏訪湖には、「おみわたり」の伝
説があります。
「黄金色のまゆ玉」は、その伝説
をヒントにして、みほようこが書
いた物語。