風の神様からのおくりもの10
次の日の朝。
窓をあけたおばあさんは、縁側で
きらっきらっと光っているものを
みつけました。
「なにかしら」
近づいてみると、黄金色の小さな
まゆ玉でした。
大きさは、普通のまゆ玉の半分く
らい。
「まあ、小さなまゆ玉だこと。
でも、なんて美しいまゆ玉なの。
こんなまゆ玉は、みたことがないわ。
だれがおいていったのかしら」
おばあさんはまゆ玉を手にのせる
と、娘とまごのいる部屋へとんで
いきました。
「今縁側でね、このまゆ玉をみつ
けたの。美しいまゆ玉ね。
そうそう、この子の名前だけど、ま
ゆとなづけたらどうかしら。
真の優しさと書いて、まゆと読むのよ」
おばあさんは、娘にいいました。
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100515#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100507#p1
「風の神様からのおくりもの」は、
みほようこの初めての童話集・
「風の神様からのおくりもの」に
収録されています。
心を病む兄のために、明神様にお参
りする心優しい少女の話など4編。
信州諏訪の「風の神様」から聞いた
お話。
挿絵は長野博一先生。
心温まる創作童話。
童話集「風の神様からのおくりもの」