風の神様からのおくりもの11
「まゆ・・まゆ・・まゆ。
おかあちゃん、まゆって、すてき
な名前ね」
女の子のおかあさんはそういって、
おばあさんから黄金色のまゆ玉を
受け取りました。
「あなたの名前は、まゆよ。
いい名前でしょ。このまゆ玉のよ
うに美しく、やさしい人になってね」
そういいながら、おかあさんは、ま
ゆ玉を女の子の枕元におきました。
女の子は、まゆ玉をみて、にっこり
とほほえみました。
なんともいえないやさしいほほえみ
でした。
二人は、女の子のほほえみを、いつ
までもいつまでもあきることなくみ
ていました。
こうして、縁側においてあった黄金
色のまゆ玉は、女の子・まゆの大切
なお守りになったのです。
つづく
昨日の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100516#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100507#p1
「風の神様からのおくりもの」は、
みほようこの初めての童話集・
「風の神様からのおくりもの」に
収録されています。
心を病む兄のために、明神様にお参
りする心優しい少女の話など4編。
信州諏訪の「風の神様」から聞いた
お話。
挿絵は長野博一先生。
心温まる創作童話。
童話集「風の神様からのおくりもの」