風の神様からのおくりもの


  風の神様からのおくりもの22 


まゆ、やさしいおかあさんのもとに生ま
れてよかったのー。
大きくなったら、おかあさんのように心
のやさしい人になるのじゃよ」
おごそかだが温かな声が、守屋山の方か
ら聞こえてきました。



おかあさんにはわかりました。
まゆに黄金色のまゆ玉をくださったのは、
守屋山に住んでおられる風の神様だった
のだと。
そしてまゆのことを毎日しっかり守って
くださっていたのも、風の神様だったと
いうことが。



「まゆのことを毎日守っていただき、本
当にありがとうございました」
おかあさんは、風の神様にむかって、心
からお礼をいいました。



「おかあさーん、ありがとう」
まゆのやさしい声が聞こえてきました。
その時、ぴゅーとさわやかな風が通りす
ぎていきました。  


            おわり



   昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100527#p1



   初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100507#p1



「風の神様からのおくりもの」は、
みほようこの初めての童話集・
「風の神様からのおくりもの」に
収録されています。







心を病む兄のために、明神様にお参
りする心優しい少女の話など4編。


信州諏訪の「風の神様」から聞いた
お話。
挿絵は長野博一先生。
心温まる創作童話。


童話集「風の神様からのおくりもの」


http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu1.html