ライオンめざめる


   ライオンめざめる14


おまえは、何千年ものあいだ、だ
れも聞くことができなかったライ
オンの声を、よく聞くことができ
たねぇ」
神さまは、感心したようにいいま
した。



「かな、さっき松虫草のまわりを
舞っていたちょうは、何というち
ょうか知っているか」
「知りません。神さま、なんとい
うちょうですか?」



「くじゃくちょうというのじゃ。
この高原にきても、めったにくじ
ゃくちょうには会えんぞ。
心のやさしい少女がこの高原にく
ると、くじゃくちょうはどこから
かでてくるのじゃ。



でも、ほんとうにやさしい人しか、
くじゃくちょうの姿はみえないの
じゃ。
わしもそこでくじゃくちょうの舞
をみていたが、美しい舞じゃった
のぅ」
神さまは、くじゃくちょうのこと
を、いろいろ教えてくれました。


           つづく



   昨日の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100616#p1



   初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100603#p1



童話「ライオンめざめる」は、
みほようこの四冊目の童話集
「ライオンめざめる」に収録され
ています。



   童話集「ライオンめざめる」


http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu4.html







  「ライオンめざめる」裏表紙