かきつばたになった少女


 かきつばたになった少女4


その中に、狩の上手な足のはや
い少年がいました。
少年の名前は、山彦。



「おらもかきつばたに会いたいな。
いつ、かきつばたに会えるだろ
うか」
山彦も、かきつばたに会える日を、
楽しみにしています。



梅雨があけた七月のある日。
その日は、からりと晴れた良い
天気でした。
かきつばたは、一人で霧ケ峰へ
行こうと思いました。



大好きなおばさまに、きすげの
花をプレゼントしようと思った
のです。
おばさまは、おとうさんの妹。
心のやさしい美しい人でした。
でも、おばさまは独身でした。


             つづく



   前回の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100630#p2



   初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100627#p2



「かきつばたになった少女」は、
信州の霧ケ峰高原にある八島湿原
に咲いているかきつばたの話。
信州諏訪の「風の神様」から聞
いた話。



「かきつばたになった少女」は、
みほようこの四冊目の童話集
「ライオンめざめる」に、収録
されています。



童話集「ライオンめざめる」は、
2006年10月、「鳥影社」
から発行されました。





    童話集「ライオンめざめる」


http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu4.html