かきつばたになった少女


  かきつばたになった少女21


かきつばたがいなくなったことを
知ったおばさまは、かきつばたの
ことを心配しました。



「私が山彦のことを話さなければ、
かきつばたは霧ケ峰へ行くこともな
かっただろうに・・・」
おばさまは、若き日の思い出をかき
つばたに話したことを、心からくや
みました。



かきつばたがいなくなって一カ月後。
おばさまは、かきつばたの後を追う
ようになくなってしまいました。



宝物のようにかわいがってきたかき
つばたがいなくなって、おばさまは
生きるはりあいをなくしてしまった
のでしょうね。


           つづく



   前回の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100718#p2



   初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100627#p2



「かきつばたになった少女」は、
信州の霧ケ峰高原にある八島湿原
に咲いているかきつばたの話。
信州諏訪の「風の神様」から聞
いた話。



「かきつばたになった少女」は、
みほようこの四冊目の童話集
「ライオンめざめる」に、収録
されています。



童話集「ライオンめざめる」は、
2006年10月、「鳥影社」
から発行されました。





  童話集「ライオンめざめる」


http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu4.html