かきつばたになった少女


  かきつばたになった少女25


「かきつばたは、ほんとうに美
しい少女だったけれど、花にな
っても美しいのね」
そういいながら、女神さまたち
はかきつばたの花をめでるので
した。



沼のほとりにたたずみ、かきつ
ばたの花をみていると、「山彦
さーん、山彦さーん」という、
かきつばたの声が聞こえてくる
そうです。



紫色の花になったかきつばたは、
今も山彦といっしょに、草原を
走りまわっているのでしょうか。


          おわり



   前回の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100722#p2



   初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100627#p2



「かきつばたになった少女」は、
信州の霧ケ峰高原にある八島湿原
に咲いているかきつばたの話。
信州諏訪の「風の神様」から聞
いた話。



「かきつばたになった少女」は、
みほようこの四冊目の童話集
「ライオンめざめる」に、収録
されています。



童話集「ライオンめざめる」は、
2006年10月、「鳥影社」
から発行されました。





  童話集「ライオンめざめる」


http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu4.html