竜の姿をみた少女2
でも、湖のまわりにはだれもい
ません。
「とうちゃん。今、なにか声が
聞こえなかった?」
「いやー、なにも。なにか聞こ
えたかい」
「おっかあ、おっかあーという
声が、聞こえたの」
「そうか。とうちゃんも、しら
かば湖でつりをしていた時、
『おっかあ、おっかあー。どこ
にいるー』という声を聞いたこ
とがある」
「だれの声なの」
「妻をさがして歩く三郎の声だと
いわれている」
「三郎って、だれ?」
「大昔、たてしな山のふもとに住
んでいたという三郎だよ。
三郎はね、なぜか竜になってしま
ったのだよ」
つづく
前回の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100725#p2
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100725#p2
童話「竜の姿をみた少女」は、
みほようこの五冊目の童話集
「竜の姿をみた少女」に、収録
されています。
昨年12月、「鳥影社」から、
発行されました。
童話集「竜の姿をみた少女」は、
「しらかば湖」と「白駒池」を
訪ねた時に、信州諏訪の「風の
神様」から聞いた話。
風の神様からのおくりものシリ
ーズ5。
http://www.bk1.jp/product/03220629
収録されている童話は、「竜の姿を
みた少女」と「女神さまとの約束」。
竜の姿をみた少女
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20010101#p1
女神さまとの約束
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20010102#p1
裏表紙