竜の姿をみた少女


   竜の姿をみた少女13


「かなちゃん。この村には、長
い杖をついたおじいさんなんて、
一人もいないよ。どこのひとかな」
みんなそういいます。
「じゃあ、私だけ、あのおじい
さんをみているのかしら」
かなは、ふしぎに思いました。



八月末のある日。
むし暑い日でした。
かなは、湖のほとりで、またおじ
いさんに会いました。



「暑いのぅ」
そういいながら、おじいさんはか
なの横に腰をおろしました。
「ぴゅー、ぴゅぅー」
湖の方から、涼しい風が吹いてき
ました。


           つづく



   前回の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100805#p1



   初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100725#p2






童話「竜の姿をみた少女」は、
みほようこの五冊目の童話集
「竜の姿をみた少女」に、収録
されています。
昨年12月、「鳥影社」から、
発行されました。



童話集「竜の姿をみた少女」は、
「しらかば湖」と「白駒池」を
訪ねた時に、信州諏訪の「風の
神様」から聞いた話。
風の神様からのおくりものシリ
ーズ5。



http://www.bk1.jp/product/03220629






   収録されている童話

  ・ 竜の姿をみた少女

  ・ 女神さまとの約束



       裏表紙