竜の姿をみた少女


   竜の姿をみた少女24


「おじいさん。最後は、どんな色
になるの」
「最後の色か。かなは、いろいろ
なことに興味があるのだね」
「とうちゃんに話をしてあげよう
と思って」



「きびしい修行を、何万年も続け
ると、体の色が真っ白になるのじゃ。
わしも、しっかり修行をして、純
白色の美しい竜になりたいと思っ
ている」



「竜の世界も、大変ですね」
「人間の世界と同じじゃ」
おじいさんは、笑いながらそうい
いました。


 
その時、「ぴゅぅー」と、涼しい
風が吹いてきました。
「かな。この風は、だれが吹いて
いるか、知っているかな」
「だれが吹いているの」


            つづく



   前回の分は、こちら。


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100817#p1



   初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100725#p2






童話「竜の姿をみた少女」は、
みほようこの五冊目の童話集
「竜の姿をみた少女」に、収録
されています。
昨年12月、「鳥影社」から、
発行されました。



童話集「竜の姿をみた少女」は、
「しらかば湖」と「白駒池」を
訪ねた時に、信州諏訪の「風の
神様」から聞いた話。
風の神様からのおくりものシリ
ーズ5。



http://www.bk1.jp/product/03220629






   収録されている童話

  ・ 竜の姿をみた少女

  ・ 女神さまとの約束



       裏表紙