井戸で鳴く黄金色のにわとり


  井戸で鳴く黄金色のにわとり3


「あっ、こっこの声。
こっこ、おはよう」
姫は、にわとりの声で、目がさめ
ました。



「姫さまのにわとりが鳴いている。
さあ、おきなくては」
城に住んでいる人たちは、にわとり
の声でおきました。



夏のある日。
「姫、ちょっと」
「なぁに、おとうさま」
「今は、戦国の世。どんなことがお
こるかわからない。
だから、一人で外へ出ないように」
「おとうさま。城のまわりならいい
でしょ」


          つづく



    前回の分は、こちら


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100905/#p1



    初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100904/#p2



「井戸で鳴く黄金色のにわとり」
は、信州の伊那谷にあった「大島
城」に伝わっている話。
その話をヒントにして、みほようこ
が書いたもの。